陽気なギャングが地球を回す 読了

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、正確な体内時計を持つ女。
この四人の点たちは百発百中の銀行強盗だった・・・はずが、
思わぬ誤算が。
せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の
現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!
奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。
映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!

友人おススメの一冊で、おススメされた通り、確かに面白かった。
四つの本章からなる。

第一章 悪党たちは下見のあとで、銀行を襲う
      「犬の吠える相手が泥棒とはかぎらない」
第二章 悪党たちは反省を行い、死体をみつける
      「税金と死ほど確かなものはない」
第三章 悪党たちは映画館の話をし、暴力をふるう
      「鞭を惜しむと子供はだめになる」
第四章 悪党たちは作戦を練り、裏をかかれる
      「愚者を旅に出しても愚者のまま帰ってくる」


この本の主役は、なんと悪党なのだ。
ただの悪党とカッコ良い悪党が登場する。

物語や人生が複雑に絡みそれが味を出すように、
ある章の小さなアクセントが、別の章で大きな味を効かせる。

そういった作品。



カッコいい悪党の”成さん”こと成瀬がカッコいい。