夜のピクニック 読了

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
それは全校生徒が夜を徹して80キロを歩き通すという、北高の伝統行事だった。
甲田貴子は密かな誓いを胸に抱えて、歩行祭にのぞんだ
三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために−−−。
学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、
貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。
本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。


ブックカバーより引用


人には、誰だって言えない秘密
自分の中ではもう堪えきれずに話してしまいたい秘密
言いたかったけど、そのタイミングがなかった秘密
そんな秘密を高校生と言えども抱えている。

そういった「秘密」と「歩行祭」が中心に話が展開していく。
歩行祭がなければ分からなかったこと、
切っ掛けがつかめなかったこと、
高校三年生だからこそ、できたこと。

読んでいて、部活一色で通り過ぎた
自分の高校三年生を振り返ってしまった。


(余談)
一高出身の大学の友人からそういった行事があると聞いたことがあったので
この北高のモデルは山梨県の一高と思っていたが、
調べた結果、原作者の恩田陸さんの母校・茨城県立水戸第一高等学校らしい。
全国にはこういった行事がいくつかあるようで、
羨ましいような、そうでないような複雑な心境。
ただ、経験した友人たちはみな楽しそうにそういったイベントを語っていたので、
やはり羨ましく感じる。