向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。
きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。
だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。
一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。
僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

好き嫌いが別れる作品かも。

何も明らかにされず、
なんとなくな違和感、違和感を感じさせつつページをめくる。

読み終わったあと、
あの寄道はなんだったんだろうと思うが、
ただの寄道だったんだろうとしか思えなかった。

読ませる文章だし、
読むだけで想像力を書き立てる力があるので、
もっとこう、クライマックスにかけて、
読み終わったページを再読させてくれるような、
シナリオの布石を埋め込んでおいて欲しいと思った。
後半に一気に明かされても、
ああそうですか、で終わってしまうので。